ビーシュリンプ







少し育ってきた稚エビたち
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昔はビーシュリンプ(日本語訳すると”ミツバチエビ”)の名前のごとく うす黄色や黒からなるミツバチのような色合いのエビで、水槽内でのコケとり要員として、熱帯魚の脇役的存在で飼われていたが、色や柄が改良されて非常に美しい個体が作出されるようになり、今や主役として飼育されていることが多い。価格は1匹数百円から数十万円とかなり幅がある。一般には白の部分が多く、なおかつ色がべっとりとペンキを塗ったように濃い個体が上物とされている。

コケとり要員としての働き具合だが、黒いヒゲ状藻類にたいしての除去あるいは縮小効果は確認できているが、それ以外のコケに対しては目に見えての効果は期待できないようである。ガラス面にうっすらとつく茶色い藻類は好んで食べているが除去とまではいかず、糸状の緑藻類や青緑色をしたのり状の藻類(藍藻の一種)などはほとんど食べていないようである。

原産地は中国南部、香港といわれているが、昔から入荷されていたビーシュリンプの野生個体群は絶滅してしまったという説が有力のようである。
人気のある赤い個体の起源は、【日本】で選択的に飼育&改良されたもので、クリスタルレッドシュリンプ(CRS)と命名された。最近は海外でも養殖されている。ビーシュリンプとは別の近縁種【ニュービーシュリンプ】が格安で輸入されていることから、本種のほうは【元祖ビーシュリンプ】などと区別して呼ばれることがある。

水質悪化(主にアンモニアや亜硝酸塩によるもの)や殺虫剤には非常に敏感で注意が必要だが水質への適応範囲自体は現在一般に言われているよりだいぶ広そうである。(現在詳細を実験中)水温についても生存可能な範囲はかなり広いことが確認できているが、夏場の30℃を越す高水温はコンディションを崩しやすいため避けたい。繁殖に適した水温は23±3℃くらい。

幼生は孵化直後から大人のエビのミニチュアバージョンで、プランクトンのステージがないため、最低限のポイントさえ外さなければ誰にでも手軽に繁殖が楽しめるのが最大の人気の要因と思われる。また、世代交代が早い上に変異に富むため、選抜と累代を重ねながら好みの個体をつくっていく楽しみもある。寿命は1年くらい。

難易度 ★が多いもの程難しいと感じております。 備考
飼育 ★★ 易しいが、水質悪化や高水温に弱い。
(強健な面とデリケートな面の両方が垣間見られ油断はできない)
繁殖 条件が合えば勝手に殖えていくので、繁殖自体の手間は要らない。しかもスネール類やグッピー並みの繁殖力。色や柄を向上(維持)するためには選抜(選別)が必要。

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