休耕田等の浅い水域に生息する体長28〜33mmほどの大型のゲンゴロウ。1962年の報告を最後に1984年に再び発見されるまでしばらくの間絶滅したと考えられていた幻の昆虫で北方系水生甲虫の南限分布種として学術的にも大変貴重。水田の整備、湿地の埋め立て、放置による植生の遷移、農薬、餌生物をも含めた乱獲等により生息地は急速に失われている。本種は関東地方に分布する個体群(アズマゲンゴロウモドキ)と中部から西日本に分布する個体群(コゲンゴロウモドキ)とに♀の上翅のすじの出方の状況が異なることから亜種区別されて呼ばれることが多い。飼育下での成虫の寿命は2〜3年。関西での屋外飼育下での産卵は、1月下旬ごろからポツポツと開始し、3〜4月にピークを迎え、5月中旬頃に終了する。シーズンあたり1♀の産卵数は概ね50〜200個程度。(産卵数は飼育条件等に左右される)
2011/04/01より国内希少野生動植物種に指定。譲渡しが原則禁止されました。
希少な種類であることとは裏腹にゲンゴロウ類の中では断トツに繁殖が容易で水生昆虫入門用に
お勧めできる種類でしたが門外不出になってしまいました。
産卵中の様子
産卵確認〜孵化(コゲンモ)
成長記録(卵〜羽化)(コゲンモ)
難易度 | ★が多いもの程【難しい】または【手間がかかる】と感じてます。 | 備考 | |
採集 | ★★★★★ | 条例や種の保存法により禁止。 | |
成虫の飼育 | ★★ | 成虫はかなり丈夫で飼いやすいが真夏の高水温にやや弱い | |
繁殖 | 採卵 | ★★ | 要、水温管理 |
育成 | ★★★ | 地域によって餌の確保が難しい。餌さえ手に入れば容易 | |
総合 | ★★ | 容易で入門用向き(条件さえ揃えば初心者でも累代飼育可) *種の保存法により譲渡し等が原則禁止されている。 |
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ゲンゴロウモドキ属に見られる頭部の 【^】マークついてます。 【撮影】 UEさん(キリ番企画で里親になられました。) |
右。決めのポーズ(オス) |
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左。北陸産メス (2009年 羽化後まもない個体) コゲンゴロウモドキのメスには例外なく上翅に明瞭 なスジがあります。 |
右、関東産メス(2004年の初羽化個体) アズマゲンゴロウモドキのメスの上翅のスジは 短かったり消えていたりといろいろなんだそうです。 |
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どこにいるかわかりますか? な、なんとイモリを食べてたんです。 私か近づいたので泥かくれの術で泥と一体化してます。(メス) |
お腹の先についている白いのが交尾栓です。 ゲンゴロウモドキの仲間は交尾した後にこのような 証拠が残ります。交尾直後はこんな状態。 |
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