ヒナモロコ

満腹状態の幼魚


国外ではアジア大陸東部に広く分布しているが、日本では九州のごく一部のみに分布する。分布状況からかつて日本が大陸と陸続きであったことを証明する魚といわれている。国内ではほぼ野生絶滅の魚(飼育下で存続)といわれてきたが、最近になって野外で再発見されるなどして地元では保護活動がおこなわれているようである。餌は冷凍アカムシやイトメなど動物性のものを好むが配合飼料も良く食べる。飼育下での寿命はおおむね2〜3年と短め。個体差や飼育状況にもよるが満2歳以降になるとやせ細って衰弱死する個体が出始める。繁殖は非常に容易で、国産淡水魚では知る限り最も増やしやすく感じる(数百匹単位の大量繁殖ではメダカより楽)。低温にも比較的強く大阪では屋外越冬可能。

繁殖方法
種親には、満1年魚(前年度繁殖個体)を使用するのが最も安定した結果が得られている。産卵の最盛期は通常6月〜9月頃で産卵行動は水替え直後や低気圧接近時に誘発されることが多く、♂は側線に沿って暗色の縦条が現れ♀を激しく追尾しはじめる。卵はホテイアオイの根やアンブリアなどの水草などに付着する。25℃で2〜3日後に孵化。餌は泳ぎだしたらまずゆがいた卵の黄身を水に溶いて与え(孵化後2〜3日目)、4日目ごろからブラインシュリンプを与えている。(粉末状の人工飼料でも歩留まりや成長の面で劣るが可)全長1.5cmくらいに成長したころから冷凍アカムシを食べるようになる。成長は条件がよければ非常に早く、孵化後1ヶ月半でメダカの成魚ぐらいになり、その2〜3ヶ月後には5cm位に達する。

難易度 ★が多いもの程難しいと感じております。 備考
採集  - 保護されており採集は×でしょう。
飼育 太く短く生きる魚。生後一年半はとても強く、めったなことでは死なない。
繁殖 餌に使えるほど殖える。

 

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